催眠療法の手順
●まずはカウンセリング
催眠療法を始めるにあたって、まずはしっかりカウンセリングを行います。
カウンセリングでは、クライエント(来談者)のお悩みや、どういった変化を望むのかを伺います。
できるだけ詳しく、症状や悩みについて教えていただけると助かりますが、話したくないことは無理に話す必要はありません。
もしカウンセリング途中で感情的な悲しみや不安が出てきたら、その感情を解放するために、この段階で心理療法をおこなうことがあります。
●催眠誘導の前に目的(ゴール)の明確化
心理療法では、目に見えない心を扱うので、セラピーの効果が測定しにくいです。
それを補うために、セラピーの目的(ゴール)を具体的に設定することで、効果の測定をすることがあります。
例えばクライエントが、「人の視線が気になる」というお悩みをもっている場合。
「具体的にどこで、どのように困っていますか?」と聞いたりします。
もし、「会議の時に大勢のひとに見られると、胸がドキドキして困る」という答えがもらえたら。
「具体的にどのようになったら、その症状が改善したとわかりますか?」と尋ねていきます。
「会議のとき、脈拍が落ち着いたままだったり、ドキドキすること自体が平気に感じられたら改善したとわかる」
これでクライエントのゴールが決定しました。
ゴールがわかったので、催眠暗示で緊張時に脈拍が過度に反応しないようにしたり、ドキドキすることがそれほど気にならないようにしていきます。
※お悩みによっては、はっきりとゴールを決めない場合もありますし、症状を解消するのではなく、なんとか乗り越えられるレベルまで落とすことを目的にすることもあります。
●漠然としたお悩みの場合
性格を改善したいなど、お悩みがそれほど具体的ではない場合、クライエントがその性格によって困っていことをカウンセリングで明確化していきます。
●鬱病の場合
うつなどの病気で気持ちが落ち込んでいる場合は、脳が弱っている状態なので、まずはリラクゼーション系の催眠をつかい、脳機能の回復から始めることが多いです。
●直接暗示
セラピーを受けに来るひとの中には、「とにかく催眠術で症状をよくしてほしい」と希望される方がいらっしゃいます。
確かに催眠感受性の高い方には、直接的な暗示をかけただけで、驚くほどの効果が出ることがあります。
それは否定しません。
ですので、もし直接暗示だけを試したい方は、その旨をお伝えください。
(ご予約時かセッション時に、「直接暗示をかけて欲しい」と言っていただければわかります)
そうしていただければ、カウンセリングの時間を短くして、直接暗示に時間を多く使うことができます。
●いよいよ催眠誘導
何に対して催眠を行うか決まったら、いよいよ催眠誘導をしていきます。
まず簡単な催眠の説明と、催眠の入りやすさをチェックし、そのあと催眠誘導を行います。
ここでリクライニングチェアに移動してもらうことがありますが、必ずともリクライニングチェアに移動しないといけないわけではありません。
催眠誘導中は、基本的にセラピストの言葉を、ただリラックスして聞いてもらえればいいです。
(時々こちらから質問をしたり、動いてもらったりすることがあります)
催眠状態になっても、クライエントの意識がなくなることは通常ありません。
エリクソン催眠はとても自然なものなので、クライエントは催眠に入っているという自覚がないことが多いです。
催眠中でも目を開けることや、こちらに話しかけることもできます。
●催眠中に心理療法と暗示をおこなう
催眠誘導により、クライエントが催眠状態(トランス状態)に入ったら、催眠暗示による催眠ワークをおこなっていきます。
催眠暗示はメタファーや物語などの間接的な暗示と、「あなたは○○ができます」というような、直接的な暗示を組み合わせておこないます。
その他にも催眠以外のセラピー技法も同時に使っていきます。
●催眠から覚醒する
一連の催眠ワークが終わったら、セラピストの誘導により、クライエントに目を覚ましてもらいます。
催眠状態からは必ず戻れるのでご安心ください。
最後に大きく伸びなどをすると、気持ちよく戻ってこられます。
●催眠後のカウンセリング
催眠から覚醒したあとは、短い事後カウンセリングをします。
このとき、クライエントに行動課題(宿題)を出すことがあります。
この行動課題をやっていただくと、催眠療法の効果があがりやすくなります。
●セッションの終わりに
セラピーが終わったら、次の予約をとってもいいですし、後日予約でも構いません。
通常、次の予約をとる場合、2、3週間後くらいが目安となります。
以上がセラピーの大まかな流れとなります。
●補足
当たり前のことですが、当オフィスはクライエントのプライバシーを堅く守ることをお約束します。
また、電話による勧誘や、ダイレクトメールなどをご自宅に送付することはありません。
催眠療法の「タユタ・メンタルオフィス」
代表セラピスト:やまもとせいいち